勇気の一歩~シングルマザーの振り返りとこれからのこと~

アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもたちも成人し、時間のゆとりができました。これまでの子育てとこれからの子離れについて綴ります。

正夢

ある晴れた日の朝。


シリシリを作ろうとニンジンを千切りにしていたら、
Spotifyからスピッツの『正夢』が流れた。

夫とすでに心が離れてしまっていた暗黒の毎日が不意によみがえった。

16年前、口論になって家を飛び出し、
やみくもに車を走らせたとき、
カーオーディオにはスピッツのCDが入っていて。
あのときも正夢が流れていた。

適当に停めた海沿いの線路の傍の道で
ハンドルを握りしめて、肩を震わせ声を上げて泣いた夜。
夫との未来はどこにもない。
ここにはいられない。

 

ずっとまともじゃないってことわかってる
もう一度キラキラの方へ登っていく


たどり着けるのだろうか。
3人の子供たちをキラキラした毎日へ連れていけるだろうか。
今は、夜中に目を覚ましてしくしく泣きだす子を抱きしめて

途方にくれることしかできない無力な母親だけど。

不安しかなく、でも退路もなく。
怖いけど、踏み出すしかない。
踏み出す方向が前だと信じて。

そんな決意をした夜を思い出した。



私は今、そのキラキラした未来に立っているのでは?
ふとニンジンを切る手をとめて、家の中を見渡した。

中古で手に入れた60平米にも満たないマンションのリビングは
自分で選んだ好きなモノだけが並んでる。

子どもたちは自分の夢に向かって歩き始めた。
泥酔して目が据わった男からナイフのような言葉を浴びせられることもない、

穏やかな空間。
子どもたちの受験からも解放されたので、
自分がやりたかった勉強もできてる。

たくさんたくさんつらいこともあった。
けど、今こうして、あのとき切望した正夢の中にいる。

 

未来は変えられるし、

振り替えった地点から見て、経験をどう意味づけするかで

過去だって変えられるんだなぁって思います。

 

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引用:『正夢』 歌/スピッツ 作詞・作曲/草野正宗

崖から飛び降りたその先に

コロナ渦の折、私は在宅勤務、息子たちの大学はオンライン授業で、
ほぼ毎日24時間を親子3人で過ごしていますが、
まったくストレスもなく、おかげさまで心穏やかに暮らしています。
会話と言えば
「昼ごはん何にする?」
「晩ごはん何にする?」
・・・常にごはんのことばかりですが笑

昨今、女性の自殺が増えているというニュースを耳にするたび胸が痛みます。
それぞれに計り知れない苦しみや絶望があるのでしょうね。
もしあのとき私も、離婚せずに自分を騙し騙し暮らしていたとして、

こんなに毎日ひとつ屋根の下で長時間
元夫と一緒に過ごさなくてはいけない状況になっていたら…

と想像するとぞっとします。


私も確実にメンタルを保っていられなかっただろうし、
とてもとても耐えられなかっただろうと思うのです。

 

15年前、勇気を出して真っ暗な中、崖から飛び降りる覚悟で離婚への一歩を踏み出したのですが、当時の私に自信なんてひとかけらもありませんでした。

 

短大を卒業後3年ほど働き(まだWindowsもなかった時代…)結婚退職。

出産後はパートを細々とした程度で、3人目を出産した頃には30歳になっていました。

学歴もキャリアも体力もない、かろうじてあるのは家事と子育て経験のみ。

 

離婚すると決意してからは必死でフルタイムの仕事を探し、

実家の徒歩圏内のUR賃貸に3人の子どもたちを連れて引っ越しました。

当時は幼稚園の年中と小3・小5。保育園への転園と小学校の転校を経験し、

今では奨学金を利用しながらも全員大学生に。

一番上の娘は昨年就職して一人暮らしを始めました。

正社員登用後は通勤に便利なエリアの中古のマンションも購入しました。

心が折れそうなことも何度かあったけど、

こんなポンコツな自分でもなんとかここまで生きてこられたので、

覚悟と決意次第で誰にでも再現性はあると確信しています。

 

そして、世間は想像していたよりずっと優しくてあたたかいものです。

(鈍感なので意地悪な人がいても気づいてないだけという説も…)

支えてくれた家族や友人、学校の先生、上司や同僚には感謝しかありません。

 

誰かが幸せにしてくれるのを待っていても状況は変わりません。

幸せは自分で掴みに行くもの。

崖から飛び降り、山あり谷ありダンジョンありの冒険の旅で

レベルアップして防具や武器を手に入れたら、

綺麗なお花畑にたどり着くかもしれません。

 

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はじめまして

みなさんこんにちは。

とあるメーカー勤務のアラフィフ くるみと申します。

 

離婚して15年間、3人の子どもを育ててきましたが、長女は就職して独立。

長男、次男もあと数年したら大学を卒業し、おそらくこの家を出るのでしょう。

というところまでやっとこさ辿り着きました。

 

今日はこどもの日ですね。

息子たちと一緒に柏餅を食べたり、

菖蒲湯を沸かしたりするのも、あと何回あるのかな。

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生きてる限りこの子たちの母親ではあるけれど、

この賑やかで他愛のない日常にもいつか終わりがくると思うと、

想像しただけでも泣きそうです。

 

そして、子どもに手がかからなくなった分、

自分のために時間が使えるようになってきて、

これまでの子育てを振り返ることも増えました。

離婚を決意するまでは大変だったけど、あのとき勇気を出して一歩踏み出して、

本当によかったなぁと、今しみじみ思うのです。


結婚後はほぼ専業主婦の、学歴もキャリアもない自分のこれまでの経験が、

今離婚を迷っている方、

まだ小さいお子さんを抱えて先行きが不安なシングルマザーの方の参考に

少しでもなれれば嬉しいです。

自分がその都度してきた選択を忘れてしまわないうちに、

できるだけ俯瞰して書いてみたいと思っています。

 

ブログを書くという行為は初めてで、わからないことだらけですが、

これも自分にとっては勇気の一歩です。

 

どうぞよろしくお願いします。